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医療コラム

インプラント治療中に歯がない期間はある?対応方法や注意点を解説

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目次

インプラント治療中に歯がない期間は2~6か月ほど
 ・歯がない期間は日常生活や仕事に支障は出る?

インプラント治療中に歯がない期間の対応方法
 ・人工歯根(インプラント)を利用して仮歯を装着する
 ・隣の歯を利用して仮歯を装着する
 ・入れ歯を装着する

インプラント治療中に仮歯や入れ歯を使用する4つの理由
 ・審美性の保持
 ・歯並びや噛み合わせの維持
 ・発音への影響を軽減
 ・傷口の保護と痛みの軽減

歯がない期間の注意点
 ・負担をかけない
 ・柔らかい食べ物を選ぶ
 ・丁寧に口腔ケアを行う
 ・粘着性のある食べ物は避ける
 ・定期的に歯科医院を受診する

導入

インプラントは動かない入れ歯としても知られており、取り付ける際には2回の手術を行うケースも多く、歯がない期間が存在します。

歯がない期間には、入れ歯を装着するなどの対応を行う場合があります。

この記事では、インプラント治療で歯がない期間はどのくらいあるのか、歯がない期間の対応方法や入れ歯などをする理由について解説します。
インプラント治療に挑戦したいと思っている方、歯がない期間の過ごし方について知りたい方はぜひ最後までご覧ください。

インプラント治療中に歯がない期間は2~6か月ほど

インプラント治療中に歯がない期間は2〜6か月ほどです。

インプラントの一次手術では、顎の骨にインプラントを埋め込み、二次手術では人工歯(上部構造)を接続するためのアバットメントを取り付けます。
この一次手術と二次手術の間は、顎の骨に埋め込んだインプラントが定着するまで待つ必要があり、最も長い歯の無い期間です。
また、骨造成の有無やインプラントの定着具合によって歯がない期間には個人差が出ます

歯がない期間は日常生活や仕事に支障は出る?

歯がない期間があると日常生活や仕事などに支障が出てしまうと不安かもしれませんが、歯がない期間でも、入れ歯などを使用することで日常生活などにはほとんど支障はありません。
人によっては発音がしにくくなったり、入れ歯に慣れるまでは少し違和感が生じたりする可能性がありますが、入れ歯の違和感などは数日で慣れるでしょう。

インプラント治療中に歯がない期間の対応方法

インプラント治療中の歯がない期間の対応方法は主に3つあります。
歯がない部分が奥歯の場合などは、一部仮歯や入れ歯を使用しない場合もあります。

そういった際には以下の点に注意しましょう。

・歯がない部分では食べ物を噛まない
・食べ物は柔らかいものを選ぶ
・一口をいつもより小さくして咀嚼回数を減らす など

しかし、片側の歯だけで咀嚼をしていると、顎の痛みや噛み合わせのズレが生じる可能性があるため注意が必要です。
歯並びや食事の違和感が気になる場合は、ここで紹介するような対応がおすすめです。
歯がない期間の対応方法は、インプラント治療の進み具合や歯並び、顎の状態などで個人差があります。
詳しい対応方法については、担当医師と相談しながら自分に合う最適な方法を見つけましょう。

人工歯根(インプラント)を利用して仮歯を装着する

インプラント治療中に歯がない期間の対応方法として一般的なのが、人工歯根を利用して仮歯を装着する方法です。
インプラント治療で埋め込んだ人工歯根(インプラント)を活用する場合、基本的に人工歯根を埋め込んで縫合した直後は仮歯の装着ができません。

ただし、手術当日に仮歯を入れる方法もあります。条件として顎骨の状態がよく、噛み合わせの問題がない、骨再生・骨造成が不要である、インプラントの安定(初期固定)が良いなどが当てはまる方に限られます。
歯科医院によって手術当日に仮歯を入れる条件は異なるため、希望があれば手術を検討している歯科医院に問い合わせてみてください。
仮歯は見た目の改善だけではなく、傷口を保護し、最適な上部構造形態の情報を得る役割も担ってくれます。

隣の歯を利用して仮歯を装着する

埋め込んだインプラントが骨に結合するまで間は、隣の歯を利用して仮歯を装着する方法があります。

インプラントが安定していない状態でも仮歯を装着することができ、傷口への負担を最小限に抑えられます。
仮歯の装着には接着剤を使用することが一般的ですが、取れやすい点がデメリットです。

入れ歯を装着する

一度に複数の歯をインプラントにする場合や上下の噛み合わせを保つ必要がある場合などは、全体のバランスを保つために入れ歯を使用することがあります。

ただ、このとき使用する入れ歯は通常の入れ歯とは形状や仕組みが一部異なります。
見た目が悪くなってしまう可能性が高いため、見た目が気になる方や目立つ前歯を入れ歯にする場合は注意が必要です。

インプラント治療中に仮歯や入れ歯を使用する4つの理由

インプラント治療中の歯がない期間に仮歯や入れ歯を使用する理由は大きく4つあります。
仮歯や入れ歯の使用は必須ではありませんが、必要性を理解したうえで判断するようにしましょう。
ここからは、仮歯や入れ歯の必要性について紹介します。

審美性の保持

仮歯や入れ歯の使用は審美性を保てます。

この時使用する仮歯や入れ歯はあくまでも仮のものなので、よく見ると違和感があるかもしれません。
しかし、多少違和感があっても前歯など目立つ場所であれば、仮歯があったほうが人に与える印象は良好です。
特にマスクで口元を隠せない接客業などの職種の方や、歯がないことを知られるのが恥ずかしい方は仮歯や入れ歯の使用をおすすめします。

歯並びや噛み合わせの維持

仮歯や入れ歯を使用することで、健康な歯への負担や歯並びの乱れを防ぎ、歯並びや噛み合わせを維持できます。

インプラント治療中だけではなく、歯がない状態で過ごすと歯がないスペースに隣接する歯が移動したり噛み合わせが変わることで歯並びが乱れたりするかもしれません。
インプラント治療は、事前に歯並びや噛み合わせに合わせたかぶせ物を作製します。
しかし、隣接する歯が移動して歯がない場所のスペースが狭くなったり、噛み合わせが変わり歯並びが乱れたりすることで再度かぶせ物を作り直す必要があります。
場合によっては治療計画を見直す可能性もあり、治療期間が延びることもあるため注意が必要です。
スムーズにインプラント治療を進めるためにも、歯がない期間は仮歯や入れ歯を使用しましょう。仮歯はインプラントの最終の歯(本歯)の形態を決定する参考にもなります。

発音への影響を軽減

歯がなくなると舌の使い方や空気の抜け方などが変わるため、発音のしにくさを感じる場合があります。

仮歯や入れ歯を使用することで、自分の歯より若干の違和感が生じることはありますが、発声のしにくさはかなり改善されるでしょう。

歯がないことでどういった発音がしにくくなるかは個人差がありますが、一例として、上の前歯がない場合はさ行とた行の発音が難しくなります。
発音が難しくなると会話がストレスにこともあるため、仮歯や入れ歯を使用することで解消しましょう。

傷口の保護と痛みの軽減

仮歯や入れ歯を使用することで、インプラント手術で生じた傷の保護と痛みの軽減が期待できるでしょう。

手術の傷口を触らないように注意していても、食事や会話の中でついつい傷に触れて刺激することがあります。
傷を刺激してしまうと、痛みが増幅するだけではなく細菌感染のリスクが高まります。
しかし、仮歯や入れ歯を使用すればさまざまな外部刺激から傷口を守ってくれるため、傷口の保護や痛みの軽減のためにも仮歯や入れ歯は使用しましょう。

歯がない期間の注意点

インプラント治療の歯がない期間にはさまざまな注意点があります。
このような注意点は、仮歯や入れ歯を使用していたとしても注意が必要です。
治療期間の延長などの思わぬトラブルを避けるためにも、ここで紹介する注意点については知っておきましょう。

負担をかけない

仮歯や入れ歯はあくまでも仮の一時的な歯です。

本物の歯や完成したインプラントほど丈夫ではないため、硬い食べ物を噛んだり強く噛み締めたりすると、割れたり外れたりする可能性があります。

特に、隣の歯を利用して接着剤でつけている仮歯は外れやすいため注意が必要です。
また、仮歯や入れ歯を使用することで傷口の保護ができると前述しました。
しかし、傷口の保護ができているからと安心して、強い負担をかけると押された仮歯や入れ歯が傷口を刺激してしまうこともあります。
仮歯や入れ歯を使用している場合は、歯に負担をかけてしまうような行為はできるだけ避けるようにしましょう。

柔らかい食べ物を選ぶ

仮歯や入れ歯を使用しているときは、できるだけ柔らかい食べ物を選ぶようにしましょう。

硬い食べ物を咀嚼する際には、仮歯や入れ歯に負担をかけてしまう可能性があります。
それだけではなく、仮歯や入れ歯では咀嚼力が弱くなっているため、食べ物を十分に細かく噛み砕けないかもしれません。
食べ物が大きい状態のまま飲み込んでしまうと、誤嚥やのどのつまりが起きるだけではなく、消化にも負担がかかります。
仮歯や入れ歯のタイミングでは、柔らかい食べ物を選び、いつもの食事以上によく噛むことを意識してみましょう。

丁寧に口腔ケアを行う

インプラント治療中は、仮歯や入れ歯に食べかすなどの汚れが溜まりやすく、食べかすに細菌が繁殖して傷口が化膿する可能性があります。

そのため、いつも以上に丁寧な口腔ケアが必要になります。
もちろん、傷があるため歯ブラシでごしごしとこするのはNGです。
口腔内を清潔に保つためには、食後の歯磨き、仮歯や入れ歯の手入れをおこないましょう。
口腔ケアの方法は手術を受けた歯科医院で詳しく説明してもらえるため、しっかりと聞いておきましょう。
もし、分からない点や不安な部分があれば、歯科医院などを受診して再度口腔ケアについて説明を受けて良いかもしれません。

粘着性のある食べ物は避ける

仮歯や入れ歯を使用している場合は粘着性のある食べ物は避けましょう。

仮歯などを固定するために使用する接着剤は、上部構造を装着する際に簡単に外せるようにわざと少し粘着力の低い接着剤(セメント)を使用しています。
そのため、粘着性のある食べ物を食べてしまうと、仮歯や入れ歯が外れてしまう可能性があります。

粘着性のある食べ物とは主に以下のものです。

・チューインガム
・チューイングキャンディー・ソフトキャンディー(ハイチュウやぷっちょなど)
・水あめ
・グミ
・ヌガー(スニッカーズなど)
・キャラメル
・お餅 など

このような食べ物は仮歯や入れ歯を使用している際にはできるだ避け、インプラントが完成してから十分に楽しみましょう。

定期的に歯科医院を受診する

インプラント治療中は定期的に歯科医院を受診して、治療経過の確認や口腔ケアを受けましょう。

こまめにインプラントの治療経過を確認することで、何か問題などが起きた場合でも早期対処が可能です。
回復力が高く、インプラントと骨の結合がうまく進んでいれば予定よりも早く二次手術に移れるかもしれません。
逆に、歯科医院を受診せずに放置していると、傷口などに問題が起こっていても気付けず、インプラントの完成が遅れてしまうこともあるでしょう。
また、仮歯や入れ歯を使用しているとどうしても自分では除去しきれない食べかすなどが溜まってしまう可能性があります。
歯科医院では口腔内のケアだけではなく衛生状態のチェックもできるため、口腔内を常に清潔に保つことができます。
自宅での口腔ケアの方法について不安があったり、仮歯や入れ歯に違和感を覚えていたりする場合はこの時に相談しておきましょう。

まとめ

インプラント治療中に歯がない期間は2〜6か月ほどです。

インプラントの手術では2回の手術を行う場合が多く、一次手術と二次手術の間は、顎の骨に埋め込んだインプラントが定着するまで待つ必要があります。
また、骨造成の有無やインプラントの定着具合によって歯がない期間には個人差が出ます。
歯がない期間は人によって発音がしにくくなるなどの問題が起きますが、仮歯や入れ歯を使用することで日常生活への支障はかなり軽減されるでしょう。

仮歯や入れ歯を使用する理由には、審美性だけではなく歯並びや噛み合わせ維持、傷口の保護と痛みの軽減などがあります。
歯がない期間の詳しい対応方法は、担当医師と相談しながら自分に合う最適な方法を見つけましょう。

アップルロード・デンタルクリニックでは、専門医によるインプラント治療をはじめとしたさまざまなお口のお悩みに関する治療が可能です。
一人ひとりに最適な診療をおこない、歯を長持ちさせ、苦にならない食生活をずっとしていただくことを第一に考え、地域に密着した歯科医療を提供しております。
入れ歯などの義歯に関しても、患者さん一人ひとりに合わせしっかりとフィットするように丁寧に作製しています。

治療前に歯磨きをされたい方、治療後のお化粧直しなどに利用できるパウダールームも完備しているため、お出かけのついでなど気軽な受診が可能です。
お口のお悩みがあれば、ぜひ一度アップルロード・デンタルクリニックへご相談ください。

インプラントは痛くない?術後の痛みや軽減方法などを解説

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導入

歯周病や虫歯などで抜歯を行った後に、歯がない場所を補う方法の一つにインプラントがあります。
ただ、インプラントは手術が必要になるため『痛くないのか』と不安な方も多いでしょう。
この記事では、インプラントは痛くないのか、インプラント治療の流れや痛みを軽減させる方法について解説します。
インプラントを検討している方、痛みに不安を抱えている方はぜひ最後までご覧ください。


インプラントの手術は痛くない

インプラントの痛みについて、まずは手術中に痛むのかを紹介します。

インプラント手術の痛みについて

インプラントは、歯肉を切開して顎の骨に穴(インプラント窩)を開ける手術を行うため、痛みに対する不安が大きいかもしれません。

しかし、インプラントの手術中は局所麻酔を行うため痛みを感じることはほとんどありません。

麻酔の効き方や持続時間には多少の個人差がありますが、それぞれに合わせた麻酔量を調整し、手術中に麻酔が切れかけた場合は追加も行われます。
唯一痛みを感じるとすれば、麻酔を行うための注射の痛みです。
注射の痛みに対しても不安がある場合は、できるだけ痛みを感じないように表面麻酔(麻酔クリーム)などの併用ができるため、事前に相談してみましょう。

不安な場合は静脈内鎮静法の併用がおすすめ

インプラントの箇所が複数あったりどうしても不安を感じてしまったりする場合は、静脈内鎮静法がおすすめです。

静脈内鎮静法とは、鎮静薬などを静脈内に投与する方法で半分寝ているような状態で手術を受けられるものです。

手術中の記憶は残りにくく、気が付くと手術が終わっているでしょう。
静脈内鎮静法のメリットは、リラックスした状態で手術を受けられたりあっという間に手術が終わったように感じられたりする面です。
静脈内に投与する薬剤量は、呼吸など全身の状態を確認しながら調節しますが、極めて稀にアレルギー反応や不整脈、その他合併症を引き起こす可能性があります。

また、薬剤が完全に抜けるまで自動車の運転ができないなど、日常生活の動作に一定の制限がでます。

インプラントの術後に感じる3つの痛み

インプラントの手術中は麻酔が効いているため、痛みはほとんど感じません。
しかし、麻酔が切れると主に3つの痛みを感じる場合があります。
痛みの度合いや感じ方は個人差が大きく、痛みを感じない方もいますがしばらく痛みが続いてしまう方もいて、ピークは術後2〜3日程度です。
ここではインプラントの術後に感じる3つの痛みについて解説します。

歯肉を切開した傷の痛み

インプラントの手術では、顎の骨に穴(インプラント窩)を開けるために歯肉の切開を行います。

麻酔が切れると歯肉を切開した傷の痛みが生じますが、処方される鎮痛剤で痛みが和らぐ場合がほとんどです。

痛みのピークは術後2〜3日ほどで、自制内(我慢できる程度の)痛みが続く期間は7〜10日ほどです。鎮痛剤を使用しても我慢できないほどの痛みがあったり、10日を過ぎても痛みが治まらなかったりする場合は、傷口が開いていたり歯肉になんらかのトラブルが起きている可能性があります。

無理せず、手術を受けた歯科医院に相談しましょう。

抜歯をしたことによる痛み

インプラント手術では、人工歯根(インプラント)を顎の骨に埋め込むため抜歯が必要です。

ただ、インプラントにするためには必ず抜歯が必要であるわけではなく、周りの歯や歯肉の状態によっては抜歯をせずに手術を進める場合もあります。
抜歯には麻酔を使用するため痛みは感じませんが、抜歯後は免疫・防御反応などから痛みや腫れが生じる可能性があります。

通常腫れや痛みのピークは2~3日、大規模な手術の場合は5~10日程続くこともあるでしょう。

抜歯による痛みも歯肉を切開した傷の痛み同様に、通常は処方される鎮痛剤を服用すれば自制内の痛みです。
ただ、痛みが10日以上続く、鎮痛剤を服用しても我慢できないほどの痛みの場合は、細菌感染(抜歯後感染)や骨面の露出(ドライソケット)などの可能性があるためなるべく早く手術を受けた歯科医院に相談しましょう。

骨量不足を補う骨造成の痛み

インプラント手術では、顎の骨を削り人工歯根(インプラント)を埋め込むため、一定の骨量が必要です。
もし、骨量が足りずインプラントを支えられないなどの可能性があれば、骨造成を行います。

骨造成とは、骨の量を増やす治療であり、主に以下の3つの種類があります。

ソケットリフト           ・上顎の骨に高さが足りない場合に行う
・上顎の骨の高さが5mmをこえる場合に採用される
・上顎洞の1mm前まで穴を開け、上顎洞に押すことで高さを確保する
・傷が小さく、治療期間が短いため身体への負担が少ない
・上顎以外や上顎の高さが5mm以下の場合は一般に行わない
サイナスリフト・上顎の骨の高さが足りない場合に行う
・上顎の骨の高さが5mm以下の場合に採用される
・歯肉を切開し上顎洞を開窓して上顎洞粘膜を挙上し骨補填材を填入する
・骨造成後、4~6か月程度経過してからインプラント手術を行う
・ソケットリフトよりも治療期間は長い
GBR法・顎の骨の幅や高さが足りない場合に行う
・骨補填材や自身の粉砕した骨(自家骨)を骨欠損部に入れて骨の再生を促す治療
・骨再生までに3~6か月程度かかる

骨造成のメリットは、骨量を確保できるためインプラント手術の安全性が高まる点やインプラントの寿命が長くなる点です。
デメリットとしては、治療の長期化や骨造成が難しいパターンがある点です。

骨造成の範囲などによって痛みの強さが異なりますが、手術の範囲が大きければその分痛みも強く出る傾向にあり、痛みのピークは3日ほどで10日ほど痛みが続きます。

痛みは鎮痛剤の服用である程度抑えられますが、腫れが強く出るケースもあります。
冷やすことで多少治まることもありますが、あまりにも気になる場合は治療を受けた歯科医院に相談してみましょう。

インプラント治療の流れ

インプラントは日帰りでできる場合も多いですが、外科手術に分類されるため、実際に手術を受ける前には歯科医師との綿密な打ち合わせや検査が必要です。
ここでは基本的なインプラント治療の流れについて解説します。

インプラント治療は全行程を終了するまでに6か月以上かかる場合もあります。

骨造成の有無などによって詳しい治療の流れは異なるため、歯科医師と相談しつつ進めて行きましょう。

カウンセリング

まずはカウンセリングにて、インプラントに関する正しい知識や、治療方法、手術内容などの説明を受けます。

このときに、インプラント治療で考えられるリスクについての説明もあるため、わからない点や不安な点ががあれば納得できるまで質問しましょう。
カウンセリングの時間は個人差がありますが、大体1時間程度です。インプラントに関する説明や副作用、リスクなどを理解したうえで、インプラント治療を受けるか改めて検討してしましょう。

インプラント治療を行うことが決まれば、術前検査を行います。

術前検査

インプラントは顎の骨に埋め込むため、顎の骨の大きさや高さ、神経や血管の場所などを詳細に調べる必要があります。

どんなに腕のよい歯科医師でも、術前検査なしでは神経や血管を傷つける可能性があるため、術前検査は必須です。

術前検査では、主に以下の点を検査します。

・顎の骨の骨密度と量
・神経や血管の場所
・歯周病などの検査
・残っている歯の状態
・噛み合わせ
・顎関節の状態 など

神経や血管の場所、顎の骨に関しては歯科用CTスキャンを行い細部まで検査を行います。

治療計画

術前検査の結果を見て、個人に合わせた治療計画を立てます。

ただ、術前検査の結果によってはインプラント治療ができない場合があります。インプラント治療のリスクがある例としては以下のとおりです。

・歯周病になっている
・糖尿病などの全身性の病気で状態が良くない
・骨造成を前提にしても顎の骨が足りない など

これらの場合、まずは病気の治療を優先し、状態が改善してからインプラント治療を開始するか、別の治療法を検討することになります。

インプラント治療ができる場合、治療計画の説明を受けて納得した場合は契約書をかわし、1回目の手術の日程を決めます。

インプラント一次手術

手術は一次と二次の2回に分けて行うのが基本で、一次インプラント手術では顎の骨にインプラントを埋め込む段階まで行います。

歯肉を切開し、顎の骨にインプラントを埋め込みます。
所要時間は本数によって変わりますが、大体1〜3時間程度です。
手術当日は特別な用意などはないため、リラックスした状態で手術に挑みましょう。

治癒期間

インプラント一次手術後、1~2週間程経過したらインプラントを埋め込んだ際に使用した糸を抜糸します。

インプラント一次手術から二次手術までは、2~4か月程度の治癒期間を開ける必要があります。骨の状態によっては6か月を要します。
前歯など歯がない部分が目立つ場合は、仮歯を使用することも可能です。

インプラント一次手術後、埋め込んだインプラントが顎の骨との結合が確認できれば二次手術を行います。

インプラント二次手術

インプラント二次手術ではインプラントと骨の結合を確認し、人工歯(上部構造)をインプラント体(埋め込んだインプラント)に接続するためのアバットメントの取り付けを行います。

ここで取り付けるアバットメントは歯の土台部分にあたり、人工歯を取り外すと歯肉から見える部分です。
インプラントの頭にキャップを装着し、1~2週間程度歯肉の形が整うのを待ちます。
稀にインプラントと骨の結合しない場合がありますが、その場合は再度インプラントの入れなおしを行います。

人工歯(上部構造)の作製と装着

歯型を取り、噛み合わせなどを考慮したオーダーメイドの人工歯を作製します。

人工歯の装着は切開などを伴わないため、手術は行わず、スクリューやセメントを用いて固定したりします。
装着後、噛み合わせや見た目などで納得できない場合は修正などを行い、自分に合う人工歯にしていきましょう。

メインテナンス・定期検診

インプラント完成後は、天然歯同様に定期的なメインテナンスが必要です。

3~6か月に1回程度メインテナンスや検査を行い、口腔内の健康状態やインプラントの状態を確認します。
定期的なメインテナンス・検診は、インプラントを長持ちさせるために必要なため、しっかり通うようにしましょう。

インプラント術後の痛みを軽減させる6つの方法

インプラント術後の痛みは個人差がありますが、できるだけ軽減させたいと思うのは当然です。

最後に、インプラント術後の痛みを軽減させる6つの方法を紹介します。

鎮痛剤の服用や患部の冷却

インプラント治療を受けるとほとんどの場合、鎮痛剤や抗生剤などを処方されるため、歯科医師の指示どおりに服用しましょう。

また、患部の冷却も初期の腫れや痛みの軽減に効果的です。
保冷剤などを直接肌にあてずに、タオルなどを巻いて冷やし過ぎないように注意しましょう。

基本的には、鎮痛剤を服用すれば我慢できる痛みですが、決められた用法・容量を服用しても我慢できない痛みの場合は追加で鎮痛剤を服用するのではなく、歯科医師へ相談しましょう。

傷口を触らない

手術後は傷口がどうしても気になるかもしれませんが、舌や指で触れないようにしましょう。

傷口に触れて刺激をしてしまうと痛みが出やすくなったり、細菌感染して化膿したりする可能性があります。
できるだけ傷口には触れないように、食事をする際にも手術をした側の歯は使わないようにしましょう。

食事は固い物を避けて柔らかいものを選ぶ

インプラントの手術後は特に飲食の制限はありませんが、固い物は傷口を刺激してしまう可能性があるため、柔らかく消化のよい食事がおすすめです。

また、辛い食べ物などの刺激があるものは、傷口に触れると痛みが出やすいため、固い物同様に避けるようにしましょう。

血行が良くなる行動は避ける

インプラントの手術後は血行が良くなる行動は避けましょう。

血行が良くなる行動は、痛みを強めるだけではなく、腫れがひどくなってしまう可能性があります。
激しい運動や飲酒、長風呂などは避けて、安静にして過ごすことをおすすめします。

最低でも痛みのピークが過ぎるまでは、入浴はシャワーのみにして湯船に浸かるのは避けましょう。

喫煙・飲酒は避ける

喫煙・飲酒は歯科医師の許可が出るまでは避けるようにしましょう。

喫煙は傷の治りを遅くするだけではなく、インプラントと骨の結合がうまくいかないリスク因子です。
また、先程も触れたとおり飲酒は血行を良くするため、痛みや腫れを増長させる原因になります。

身体を休め回復力を高める

身体を休め、回復力を高めることを意識しましょう。

休息や睡眠が不十分な場合、回復力が低下するだけではなく免疫力も低下するため、細菌感染のリスクが高くなったり痛みが続いたりする原因になります。

インプラントの骨への親和性は骨免疫がかかわっています。手術は思っている以上に体力を使うため、術後はいつもよりも休息や睡眠を多く取るように心がけましょう。

まとめ

インプラントは、歯肉を切開して顎の骨に穴(インプラント窩)を開ける手術を行うため、痛みに対する不安が大きいかもしれません。

しかし、手術中は局所麻酔を行うため痛みを感じることはほとんどなく、唯一痛みを感じるとすれば、麻酔を行うための注射の痛みです。
インプラントの箇所が複数あったり手術ということでどうしても不安を感じてしまったりする場合は、静脈内鎮静法がおすすめです。
痛みを感じるのは術後の歯肉を切開した痛み・抜歯による痛み・骨造成の痛みの3つになります。
基本的には鎮痛剤の服用で我慢できる程度の痛みですが、どうしても我慢できない場合は手術を受けた歯科医院を受診するようにしましょう。

アップルロード・デンタルクリニックでは、専門医によるインプラント治療をはじめとしたさまざまなお口のお悩みに関する治療を行っています。

一人ひとりに最適な診療をおこない、歯やインプラントを長持ちさせ、苦にならない食生活をずっとしていただくことを第一に考え、地域に密着した歯科医療を提供しております。
治療前に歯磨きをされたい方、治療後のお化粧直しなどに利用できるパウダールームも完備しているため、お出かけのついでなど気軽な受診が可能です。

お口のお悩みがあれば、ぜひ一度アップルロード・デンタルクリニックへご相談ください。