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医療コラム

子どもの歯にある黒い点は虫歯じゃない?原因や治療法を解説

医療コラム

目次

子どもの歯にある黒い点などの正体とは?
 ◯虫歯・初期虫歯
 ・原因
 ・対処法・治療法

 ◯飲食物による汚れ・歯石
 ・原因
 ・対処法・治療法

 ◯虫歯の進行防止薬剤
 ・原因
 ・対処法・治療法

 ◯歯の神経に傷が付いている
 ・原因
 ・対処法・治療法

 ◯詰め物と歯の境界にできた着色
 ・原因
 ・対処法・治療法

黒い点の虫歯とそれ以外の見分け
 ・穴や溝の有無
 ・詳しい見極めは歯科医院を受診

子どもの歯にできる黒い点の予防方法
 ・しっかりと虫歯予防を行う
 ・歯の汚れにくい飲食物を選ぶ
 ・定期的に歯科医院などでクリーニングを受ける

まとめ

導入

子どもの歯磨きをしているとき、歯に黒い点があり『虫歯がある!』と心配になっている方もいるでしょう。

歯にできる黒い点や黒い線は、虫歯の場合もありますが虫歯ではない場合もあり、黒い点の正体によって原因や対処法・治療法も異なります。

この記事では、子どもの歯にある黒い点や線の正体や原因、虫歯とそれ以外の見分け方、予防方法について解説します。

子どもの歯に黒い点や線を見つけて心配している方、対処法や治療法について知りたい方はぜひ最後までご覧ください。

子どもの歯にある黒い点などの正体とは?

子どもの歯にある黒い点や線などの正体は以下の5つが考えられます。

・虫歯・初期虫歯
・飲食物による汚れ・歯石
・虫歯の進行防止薬剤
・歯の神経に傷が付いている
・詰め物と歯の境界にできた着色

それぞれの原因や対処法・治療法について解説していきます。

虫歯・初期虫歯

歯に黒い点や線があった場合、まず思い浮かべるのが虫歯でしょう。
子どもの虫歯は大人の虫歯よりも急速に進むことも多く、黒い部分=虫歯の全容ではありません。
見た目は小さな黒い点でも、実際に治療を進めると歯の中で虫歯が大きく広がっている可能性もあります。


原因

虫歯になる原因は、以下の3つの要素が重なった場合、時間と共に虫歯が発生します。

・虫歯菌(ミュータンス菌)
・糖質
・歯の質

虫歯菌は生まれたての赤ちゃんの口内には存在せず、食事中のスプーンやフォークなどの共有によって大人から子どもへ感染します。

一度虫歯菌が口内に入ってしまうと殺菌はできません。

虫歯菌は歯垢(プラーク)となって、食事カスなどに存在する糖質から酸を作り出し、酸が歯の主成分であるカルシウムやリンを溶かして歯に穴をあけます。

虫歯のなりやすさは歯の質にも左右されます。乳歯や生えたての永久歯は虫歯になりやすいため注意が必要です。

対処法・治療法

もし虫歯による痛みがある場合は、熱い・冷たい飲食物は避け患部を冷やして痛みを和らげましょう。
ただし、冷やすと痛みは和らぎますが、あくまでも一時的なものです。

痛みがある場合はもちろん、仮に痛みがなかったとしても子どもの虫歯は進行がはやいため、できるだけ早く歯科医院を受診するのがおすすめです。

虫歯の治療方法は、虫歯の進行状態によって異なります。

・初期の虫歯:削るのではなくフッ素の塗布をおこない経過観察を行う
・軽度の虫歯:虫歯部分を削り詰め物を行う・痛みはほとんどない
・中程度の虫歯:虫歯を削り詰め物と行う・痛みが生じる可能性があるため麻酔を使用する
・神経まで達した虫歯:歯髄を取る根管治療を行い詰め物を行う・痛みが生じるため麻酔を使用する

虫歯の基本的な予防方法は、食後の歯磨きと定期的な専門的ケアです。
歯磨きは子どもだけでに任せるのではなく、大人が仕上げ磨きをしてあげるとよいでしょう。

飲食物による汚れ・歯石

飲食物による汚れや歯石が黒くなっており、虫歯と間違われる場合があります。

歯石といえば白いイメージがあるかもしれませんが、出血などが歯垢と混ざることで黒っぽく見えることがあります。

原因

飲食物による汚れの原因は、色素の強い食べ物や飲み物を口にすることです。

以下のものは色素が強く、歯の汚れにつながりやすい飲食物です。

・カレーライス
・ぶどうジュース
・ココア
・ケチャップ
・チョコレート など

色素の強い飲食物の汚れは、歯磨きが不十分である場合にたんぱく質と汚れが混ざり、歯の汚れ(ステイン)になります。
ステインはうがいでは洗い流すことはできません。

また、歯石ができる原因は、歯垢が唾液中に存在するカルシウムなどの成分と混ざり石灰化することです。

初めは歯垢の状態で柔らかく歯磨きで取り除くことができますが、歯磨きが不十分で歯垢が付いた状態が2~14日程続くと歯石になります。

対処法・治療法

飲食物による汚れや歯石は、初期段階であれば歯に付着しているだけなのでしっかりと歯磨きをすることで改善します。

ただ、歯磨きの際に強くこすり過ぎると歯肉が傷つくだけではなく、柔らかい乳歯も傷ついてしまい虫歯になりやすくなるため注意が必要です。

汚れと歯石は歯に定着すると歯磨きでは改善できないため、歯科医院でクリーニングを受けて除去してもらいましょう。

虫歯の進行防止薬剤

過去に塗布した虫歯の進行防止薬剤(サホライドなど)が虫歯部分を着色している場合があります。

虫歯の進行防止薬剤は削る虫歯治療が難しい3歳までに虫歯ができた場合に塗布される薬剤です。

原因

黒くなってしまう原因は虫歯の進行防止薬剤に含まれるフッ化ジアンミン銀です。
フッ化ジアンミン銀は虫歯の部分と反応して黒くなってしまう特性があります。

この特性を活かし、虫歯の部分を特定するために使用されることもあり、虫歯治療で削る部分を最小限にできます。
歯に薬剤を塗布するだけなので主に虫歯治療の難しい小さな子どもに使用されることが多いです。

対処法・治療法

虫歯の進行防止薬剤は、あくまでも虫歯治療ができない年齢の子どもが虫歯治療ができるようになるまで状態を悪化させたいためのつなぎです。

削る治療ができるようになれば、通常の虫歯治療と同様に削り詰め物を行います。

黒くなっているところが目立たず、虫歯も悪化していない場合などは乳歯が抜けて永久歯が生えてくるまで経過観察を行うこともあります。

歯の神経に傷が付いている

歯の神経に傷がついてしまったり、重度の虫歯治療で根管治療を行ったりした場合は歯の全体が黒くなってしまうことがあります。

基本的には1本の歯全体が黒くなることがほとんどですが、まれに点状や線状に見えることがあります。

原因

歯の神経に傷がついたり死んだりする原因としては、転倒などで歯に強い衝撃が与えられてしまうことや虫歯治療などです。

歯は白く硬いですが中には血管が通っており、歯の神経が傷ついたり死んでしまったりすると、血液の循環がなくなります。

その結果、歯の中に残った血液やコラーゲンなどが代謝されず蓄積されてしまうため黒ずんで見えます。

対処法・治療法

神経が傷ついていたり死んでしまったりしている歯が、乳歯か永久歯かによって対処法が異なります。

乳歯の場合は、腫れや痛みなどの症状がなければ経過観察をしつつ、生え変わりを待つ場合が多いです。
永久歯の場合、神経が死んでいれば根管治療を行い、神経の処理を済ませます。

しかし、根管治療をしても歯の色が回復することはありません。

歯の色が気になる場合は、歯を漂白する薬剤を塗布したり、セラミックのかぶせ物をしたりする方法があります。

詰め物と歯の境界にできた着色

虫歯治療などで詰め物をした場合、詰め物と歯の境界が黒くなることがあります。

これは虫歯である場合と飲食物などによる汚れである場合があります。

原因

詰め物と歯の境界にできた黒ずみの原因は、詰め物の劣化・虫歯・飲食物の着色・食べかす・歯石などが考えられます。

詰め物の耐久年数はレジンが3〜4年ほど、銀歯が5〜7年ほどです。

レジンの詰め物は劣化で変色し、黒く虫歯のように見えることがあります。

また、歯の詰め物は本来、歯の溝にぴったりとはまっていますが、劣化すると歯と詰め物の間に隙間が空いてしまい、そこに食べかすや歯石が溜まってしまうことも多いです。

対処法・治療法

前述したどのような原因であっても、放置することで大きな虫歯になるなどさまざまなトラブルにつながる可能性があります。

特に痛みや歯が染みるなどの自覚症状がある場合は、できるだけ早く歯科医院を受診して治療を受けるようにしましょう。

痛みなどの違和感がなかったとしても、歯科医院を受診して詰め物の交換とクリーニングをしてもらいましょう。

黒い点の虫歯とそれ以外の見分け方

子どもの歯に黒い点や線があってもすべてが虫歯ではなく、虫歯以外の可能性もあります。

ここでは、黒い点や線の虫歯とそれ以外の見分け方について解説します。

穴や溝の有無

虫歯かどうか見分けるポイントは穴や溝の有無です。

黒く穴があいている状態であれば、虫歯の可能性が高いためできるだけ早く歯科医院を受診しましょう。
穴や溝がなく黒くなっているだけであれば、虫歯以外の原因かもしれません。
ただ、初期の虫歯であれば黒くなっているだけで穴や溝がない場合もあります。
穴や溝がないからといって虫歯ではないと安心せず、歯科医院への受診を検討しましょう。

詳しい見極めは歯科医院を受診

歯にある黒い点や溝が虫歯であるかの詳しい見極めは歯科医院を受診しましょう。

歯科医院は視診・レントゲン・レーザーなどで虫歯かどうかを見極めるだけではなく、虫歯の場合はどの程度進行しているのかを確認します。

まずは視診で黒い点や溝がある部分を確認し、場所や大きさなどから虫歯かどうかを判断します。
虫歯だった場合や視診だけでは判断ができなかった場合に行うのはレントゲン検査です。
レントゲンでは、虫歯かどうかがはっきりとするだけではなく、虫歯の深さや神経との距離を確認し今後の治療方法などを決めます。

また、レントゲンでは歯の間にできる見えにくい虫歯も発見できるため、定期的に検査を受けるのがおすすめです。
虫歯を発見する際にレントゲンは有効な手段ですが、初期の虫歯はわかりにくいことがあります。

その場合はレーザー光を用いて虫歯の深さなどをはかります。

子どもの歯にできる黒い点の予防方法

子どもの歯にできる黒い点や線は予防できます。
最後に黒い点や線ができないようにするための予防方法を3つ解説します。

しっかりと虫歯予防を行う

まずはしっかりと虫歯予防をおこないましょう。

基本的な予防としては、日々の歯磨きです。
子どもが小さいうちは歯磨きを任せるのではなく、必ず大人が仕上げ磨きをしてあげましょう。
最近は自宅で塗布できるフッ素も販売しているため、活用するのもおすすめです。
フッ素の塗布は虫歯予防だけではなく、子どもの歯を強くする効果も期待できます

たまに『フッ素を使用すると歯が黒くなるかもしれない』と心配する方がいますが、フッ素で歯が黒くなることはありません。

歯の汚れにくい飲食物を選ぶ

色素の強い飲食物を口にすると歯に着色汚れが付きやすいため、できるだけ歯の汚れにくい飲食物を選んで口にするようにしましょう。

食事をバランスよく摂取して歯の健康を維持することもおすすめです。

歯の健康を維持するためには歯の主成分であるカルシウムだけではなく、タンパク質・ビタミンA・C・Dなども摂取する必要があります。

また、食品のなかには歯や口の清掃をしてくれる食品も存在し、大きく直接清掃性食品と間接清掃性食品に分かれています。

それぞれの食品と期待できる効果や作用は以下のとおりです。

食品効果や作用
直接清掃性食品にんじん・ごぼう・レタス・セロリなどの食物繊維が豊富な食材・歯や口腔内の汚れを取り除く
間接清掃性食品梅干しや酢の物など・唾液の分泌を促し食べかすの停滞を防ぐ
・口内のpHを酸性からアルカリ性にすることで虫歯のリスク低下

歯や口の清掃をしてくれる食品は子どもが苦手とするものが多いため、無理やり食べさせる必要はありません。

ただ、食事に取り入れることができればうまく取り入れて口にしてもらえるように工夫してみましょう。

定期的に歯科医院などでクリーニングを受ける

日々の歯磨きや食事内容に気を付けても、どうしても磨き残しがあるなど完璧にケアができているかはわかりません。

そのため、定期的に歯科医院などでクリーニングを受けましょう。
目安は3~6か月に1回ほどで、このペースであれば黒くなる前の初期段階の虫歯を発見し治療できる可能性が高いです。

また、歯科医院でのクリーニングでは普段の歯磨きなどでは綺麗にすることが難しい歯周ポケットまで綺麗にできます。

まとめ

子どもの歯にある黒い点や線などの正体は虫歯・初期虫歯や飲食物による汚れ・歯石などの可能性があります。

正体によって原因や処置方法などは異なりますが、虫歯かそれ以外かを見分けるのは穴や溝の有無を確認してみましょう。

穴や溝があれば虫歯の可能性が高いです。

ただ、初期の虫歯は穴や溝がない場合もあるため詳しい見極めは歯科医院を受診しましょう。

アップルロード・デンタルクリニックでは、小児歯科にも力を入れており、お子様の定期健診や虫歯治療を行っています。

『虫歯になりやすいリスク』の検査も実施しており、虫歯菌の量や唾液の性質を調べます。

虫歯のなりやすさは口内環境だけではなく日ごろの生活習慣なども関係してきますが、現在のお口の環境を把握し、メインテナンスの重要性をご理解頂けたら幸いです。

クリニック内にはキッズスペースも完備しており、積み木などのおもちゃもご用意しているため待ち時間も楽しく遊んでいただけます。

お口のお悩みがあれば、ぜひ一度アップルロード・デンタルクリニックへご相談ください。

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