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医療コラム

インプラント治療中に歯がない期間はある?対応方法や注意点を解説

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目次

インプラント治療中に歯がない期間は2~6か月ほど
 ・歯がない期間は日常生活や仕事に支障は出る?

インプラント治療中に歯がない期間の対応方法
 ・人工歯根(インプラント)を利用して仮歯を装着する
 ・隣の歯を利用して仮歯を装着する
 ・入れ歯を装着する

インプラント治療中に仮歯や入れ歯を使用する4つの理由
 ・審美性の保持
 ・歯並びや噛み合わせの維持
 ・発音への影響を軽減
 ・傷口の保護と痛みの軽減

歯がない期間の注意点
 ・負担をかけない
 ・柔らかい食べ物を選ぶ
 ・丁寧に口腔ケアを行う
 ・粘着性のある食べ物は避ける
 ・定期的に歯科医院を受診する

導入

インプラントは動かない入れ歯としても知られており、取り付ける際には2回の手術を行うケースも多く、歯がない期間が存在します。

歯がない期間には、入れ歯を装着するなどの対応を行う場合があります。

この記事では、インプラント治療で歯がない期間はどのくらいあるのか、歯がない期間の対応方法や入れ歯などをする理由について解説します。
インプラント治療に挑戦したいと思っている方、歯がない期間の過ごし方について知りたい方はぜひ最後までご覧ください。

インプラント治療中に歯がない期間は2~6か月ほど

インプラント治療中に歯がない期間は2〜6か月ほどです。

インプラントの一次手術では、顎の骨にインプラントを埋め込み、二次手術では人工歯(上部構造)を接続するためのアバットメントを取り付けます。
この一次手術と二次手術の間は、顎の骨に埋め込んだインプラントが定着するまで待つ必要があり、最も長い歯の無い期間です。
また、骨造成の有無やインプラントの定着具合によって歯がない期間には個人差が出ます

歯がない期間は日常生活や仕事に支障は出る?

歯がない期間があると日常生活や仕事などに支障が出てしまうと不安かもしれませんが、歯がない期間でも、入れ歯などを使用することで日常生活などにはほとんど支障はありません。
人によっては発音がしにくくなったり、入れ歯に慣れるまでは少し違和感が生じたりする可能性がありますが、入れ歯の違和感などは数日で慣れるでしょう。

インプラント治療中に歯がない期間の対応方法

インプラント治療中の歯がない期間の対応方法は主に3つあります。
歯がない部分が奥歯の場合などは、一部仮歯や入れ歯を使用しない場合もあります。

そういった際には以下の点に注意しましょう。

・歯がない部分では食べ物を噛まない
・食べ物は柔らかいものを選ぶ
・一口をいつもより小さくして咀嚼回数を減らす など

しかし、片側の歯だけで咀嚼をしていると、顎の痛みや噛み合わせのズレが生じる可能性があるため注意が必要です。
歯並びや食事の違和感が気になる場合は、ここで紹介するような対応がおすすめです。
歯がない期間の対応方法は、インプラント治療の進み具合や歯並び、顎の状態などで個人差があります。
詳しい対応方法については、担当医師と相談しながら自分に合う最適な方法を見つけましょう。

人工歯根(インプラント)を利用して仮歯を装着する

インプラント治療中に歯がない期間の対応方法として一般的なのが、人工歯根を利用して仮歯を装着する方法です。
インプラント治療で埋め込んだ人工歯根(インプラント)を活用する場合、基本的に人工歯根を埋め込んで縫合した直後は仮歯の装着ができません。

ただし、手術当日に仮歯を入れる方法もあります。条件として顎骨の状態がよく、噛み合わせの問題がない、骨再生・骨造成が不要である、インプラントの安定(初期固定)が良いなどが当てはまる方に限られます。
歯科医院によって手術当日に仮歯を入れる条件は異なるため、希望があれば手術を検討している歯科医院に問い合わせてみてください。
仮歯は見た目の改善だけではなく、傷口を保護し、最適な上部構造形態の情報を得る役割も担ってくれます。

隣の歯を利用して仮歯を装着する

埋め込んだインプラントが骨に結合するまで間は、隣の歯を利用して仮歯を装着する方法があります。

インプラントが安定していない状態でも仮歯を装着することができ、傷口への負担を最小限に抑えられます。
仮歯の装着には接着剤を使用することが一般的ですが、取れやすい点がデメリットです。

入れ歯を装着する

一度に複数の歯をインプラントにする場合や上下の噛み合わせを保つ必要がある場合などは、全体のバランスを保つために入れ歯を使用することがあります。

ただ、このとき使用する入れ歯は通常の入れ歯とは形状や仕組みが一部異なります。
見た目が悪くなってしまう可能性が高いため、見た目が気になる方や目立つ前歯を入れ歯にする場合は注意が必要です。

インプラント治療中に仮歯や入れ歯を使用する4つの理由

インプラント治療中の歯がない期間に仮歯や入れ歯を使用する理由は大きく4つあります。
仮歯や入れ歯の使用は必須ではありませんが、必要性を理解したうえで判断するようにしましょう。
ここからは、仮歯や入れ歯の必要性について紹介します。

審美性の保持

仮歯や入れ歯の使用は審美性を保てます。

この時使用する仮歯や入れ歯はあくまでも仮のものなので、よく見ると違和感があるかもしれません。
しかし、多少違和感があっても前歯など目立つ場所であれば、仮歯があったほうが人に与える印象は良好です。
特にマスクで口元を隠せない接客業などの職種の方や、歯がないことを知られるのが恥ずかしい方は仮歯や入れ歯の使用をおすすめします。

歯並びや噛み合わせの維持

仮歯や入れ歯を使用することで、健康な歯への負担や歯並びの乱れを防ぎ、歯並びや噛み合わせを維持できます。

インプラント治療中だけではなく、歯がない状態で過ごすと歯がないスペースに隣接する歯が移動したり噛み合わせが変わることで歯並びが乱れたりするかもしれません。
インプラント治療は、事前に歯並びや噛み合わせに合わせたかぶせ物を作製します。
しかし、隣接する歯が移動して歯がない場所のスペースが狭くなったり、噛み合わせが変わり歯並びが乱れたりすることで再度かぶせ物を作り直す必要があります。
場合によっては治療計画を見直す可能性もあり、治療期間が延びることもあるため注意が必要です。
スムーズにインプラント治療を進めるためにも、歯がない期間は仮歯や入れ歯を使用しましょう。仮歯はインプラントの最終の歯(本歯)の形態を決定する参考にもなります。

発音への影響を軽減

歯がなくなると舌の使い方や空気の抜け方などが変わるため、発音のしにくさを感じる場合があります。

仮歯や入れ歯を使用することで、自分の歯より若干の違和感が生じることはありますが、発声のしにくさはかなり改善されるでしょう。

歯がないことでどういった発音がしにくくなるかは個人差がありますが、一例として、上の前歯がない場合はさ行とた行の発音が難しくなります。
発音が難しくなると会話がストレスにこともあるため、仮歯や入れ歯を使用することで解消しましょう。

傷口の保護と痛みの軽減

仮歯や入れ歯を使用することで、インプラント手術で生じた傷の保護と痛みの軽減が期待できるでしょう。

手術の傷口を触らないように注意していても、食事や会話の中でついつい傷に触れて刺激することがあります。
傷を刺激してしまうと、痛みが増幅するだけではなく細菌感染のリスクが高まります。
しかし、仮歯や入れ歯を使用すればさまざまな外部刺激から傷口を守ってくれるため、傷口の保護や痛みの軽減のためにも仮歯や入れ歯は使用しましょう。

歯がない期間の注意点

インプラント治療の歯がない期間にはさまざまな注意点があります。
このような注意点は、仮歯や入れ歯を使用していたとしても注意が必要です。
治療期間の延長などの思わぬトラブルを避けるためにも、ここで紹介する注意点については知っておきましょう。

負担をかけない

仮歯や入れ歯はあくまでも仮の一時的な歯です。

本物の歯や完成したインプラントほど丈夫ではないため、硬い食べ物を噛んだり強く噛み締めたりすると、割れたり外れたりする可能性があります。

特に、隣の歯を利用して接着剤でつけている仮歯は外れやすいため注意が必要です。
また、仮歯や入れ歯を使用することで傷口の保護ができると前述しました。
しかし、傷口の保護ができているからと安心して、強い負担をかけると押された仮歯や入れ歯が傷口を刺激してしまうこともあります。
仮歯や入れ歯を使用している場合は、歯に負担をかけてしまうような行為はできるだけ避けるようにしましょう。

柔らかい食べ物を選ぶ

仮歯や入れ歯を使用しているときは、できるだけ柔らかい食べ物を選ぶようにしましょう。

硬い食べ物を咀嚼する際には、仮歯や入れ歯に負担をかけてしまう可能性があります。
それだけではなく、仮歯や入れ歯では咀嚼力が弱くなっているため、食べ物を十分に細かく噛み砕けないかもしれません。
食べ物が大きい状態のまま飲み込んでしまうと、誤嚥やのどのつまりが起きるだけではなく、消化にも負担がかかります。
仮歯や入れ歯のタイミングでは、柔らかい食べ物を選び、いつもの食事以上によく噛むことを意識してみましょう。

丁寧に口腔ケアを行う

インプラント治療中は、仮歯や入れ歯に食べかすなどの汚れが溜まりやすく、食べかすに細菌が繁殖して傷口が化膿する可能性があります。

そのため、いつも以上に丁寧な口腔ケアが必要になります。
もちろん、傷があるため歯ブラシでごしごしとこするのはNGです。
口腔内を清潔に保つためには、食後の歯磨き、仮歯や入れ歯の手入れをおこないましょう。
口腔ケアの方法は手術を受けた歯科医院で詳しく説明してもらえるため、しっかりと聞いておきましょう。
もし、分からない点や不安な部分があれば、歯科医院などを受診して再度口腔ケアについて説明を受けて良いかもしれません。

粘着性のある食べ物は避ける

仮歯や入れ歯を使用している場合は粘着性のある食べ物は避けましょう。

仮歯などを固定するために使用する接着剤は、上部構造を装着する際に簡単に外せるようにわざと少し粘着力の低い接着剤(セメント)を使用しています。
そのため、粘着性のある食べ物を食べてしまうと、仮歯や入れ歯が外れてしまう可能性があります。

粘着性のある食べ物とは主に以下のものです。

・チューインガム
・チューイングキャンディー・ソフトキャンディー(ハイチュウやぷっちょなど)
・水あめ
・グミ
・ヌガー(スニッカーズなど)
・キャラメル
・お餅 など

このような食べ物は仮歯や入れ歯を使用している際にはできるだ避け、インプラントが完成してから十分に楽しみましょう。

定期的に歯科医院を受診する

インプラント治療中は定期的に歯科医院を受診して、治療経過の確認や口腔ケアを受けましょう。

こまめにインプラントの治療経過を確認することで、何か問題などが起きた場合でも早期対処が可能です。
回復力が高く、インプラントと骨の結合がうまく進んでいれば予定よりも早く二次手術に移れるかもしれません。
逆に、歯科医院を受診せずに放置していると、傷口などに問題が起こっていても気付けず、インプラントの完成が遅れてしまうこともあるでしょう。
また、仮歯や入れ歯を使用しているとどうしても自分では除去しきれない食べかすなどが溜まってしまう可能性があります。
歯科医院では口腔内のケアだけではなく衛生状態のチェックもできるため、口腔内を常に清潔に保つことができます。
自宅での口腔ケアの方法について不安があったり、仮歯や入れ歯に違和感を覚えていたりする場合はこの時に相談しておきましょう。

まとめ

インプラント治療中に歯がない期間は2〜6か月ほどです。

インプラントの手術では2回の手術を行う場合が多く、一次手術と二次手術の間は、顎の骨に埋め込んだインプラントが定着するまで待つ必要があります。
また、骨造成の有無やインプラントの定着具合によって歯がない期間には個人差が出ます。
歯がない期間は人によって発音がしにくくなるなどの問題が起きますが、仮歯や入れ歯を使用することで日常生活への支障はかなり軽減されるでしょう。

仮歯や入れ歯を使用する理由には、審美性だけではなく歯並びや噛み合わせ維持、傷口の保護と痛みの軽減などがあります。
歯がない期間の詳しい対応方法は、担当医師と相談しながら自分に合う最適な方法を見つけましょう。

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