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医療コラム

インプラントとセラミックの違いとは?それぞれの特徴や選び方を解説

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目次

インプラントとセラミックの治療について
 ・インプラント治療とは
 ・セラミック治療とは

インプラントとセラミックの違い
 ・特徴
 ・治療方法
 ・素材
 ・治療期間
 ・寿命
 ・素材

インプラントとセラミックのメリット・デメリット
 ・インプラントのメリット
 ・インプラントのデメリット
 ・セラミックのメリット
 ・セラミックのデメリット

インプラントとセラミックの選び方
 ・歯根の有無
 ・金属アレルギーの有無
 ・目立つ前歯はインプラントとセラミックの合わせ技

まとめ

導入

歯周病や虫歯などの理由で歯を失った場合、そのままにするのではなくなんらかの方法で歯を補うことが多いです。

できるだけ見た目を綺麗に他人から人工歯だと分からないようにする場合は、インプラントやセラミックなどがおすすめです。
ただ、インプラントとセラミックにはどのような違いのある治療なのか、どういった場合にどちらの治療方法を選ぶのか分からない方もいるでしょう。
この記事では、インプラントとセラミックの違いやそれぞれのメリット・デメリット、選び方について解説します。
歯を失ってなんらかの治療を受けたいと思っている方、インプラントとセラミックの違いについて知ったうえでどちらの治療を受けるか決めたい方はぜひ最後までご覧ください。

インプラントとセラミックの治療について

ここではインプラントとセラミック、それぞれの治療について紹介します。
まずはそれぞれどういった治療なのかについて、知っておきましょう。

インプラント治療とは

そもそもインプラントとは、人工材料などを体内に埋め込むことを指す英語です。

そして、歯科治療におけるインプラントとは、歯や歯根を失った場所に人工歯根を埋め込み、人工の歯を装着して失った歯を補うための治療で動かない入れ歯ともいわれています。

正確には、インプラントとは人工歯根のことであり、インプラント(人工歯根)を使用してかぶせ物や入れ歯を装着して失った歯を補う治療法を「インプラント治療」または「インプラント補綴」と呼んでいます。

セラミック治療とは

セラミックスとは本来素材を示す言葉(名詞)であり、歯科治療では審美性に優れ経年劣化しにくい詰め物やかぶせ物として使用されます。しかし、一般にはセラミックという言葉(形容詞)が素材を表す名詞として定着しています。

虫歯などで歯の一部を失った場合に、セラミックを使用した詰め物やかぶせ物を用いた治療を一般的に「セラミック治療」と呼んでいます。

セラミック治療はあくまでも、歯の一部を失った部分を補うための治療です。

そのため、歯根を失った場合はセラミック治療は行えません。

インプラントとセラミックの違い

インプラント治療とセラミックの治療について分かっていただけたところで、こちらではそれぞれの違いについて解説します。

特徴

インプラント治療の特徴は失った歯を取り戻すために行う点で、セラミック治療の特徴は自分の歯(歯根)を利用して詰め物やかぶせ物を行う点です。

大きな違いとしては歯(歯根)の有無です。

インプラント治療では、人工歯根を顎の骨に埋め込むため、入れ歯などでは得られないしっかりとした噛み心地を実現できます。

インプラントは人工歯根・アバットメント(連結部分)・人工歯(上部構造)の3つに分かれています。

セラミック治療では、詰め物やかぶせ物を自身の歯の形や色のように詳細な再現が可能です。

詰め物やかぶせ物には保険適用のレジンを使用することもありますが、保険適用外のセラミックの方が色の調節がしやすくいため審美性が高く、耐久性にも優れています。

治療方法

インプラント治療は失った歯を補うために人工歯を埋め込む治療方法で、セラミック治療はセラミック製の詰め物やかぶせ物を使用して歯の欠けを補う治療方法です。

インプラント治療では、局所麻酔または静脈内鎮静法を用いた外科手術を行います。

個人差はありますが、ほとんどの場合は入院ではなく日帰り手術が可能です。

手術は一次手術と二次手術に分かれており、一次手術では顎の骨にインプラントを埋め込み、二次手術では人工歯(上部構造)を接続するためのアバットメントを取り付けます。

セラミック治療では、インプラント治療のような外科手術は必要なく、削って形を整えた自分の歯に詰め物やかぶせ物を行うため、治療では金属を使用しません。

素材

インプラントは主に3つのパーツに分かれており、それぞれ使われている素材が異なります。

人工歯根とアバットメントには、チタンが使われています。

チタンは金属の一種ですが金属アレルギーをほとんど起こさず、心臓のペースメーカーなどにも使われるほど安全性が高い素材です。

人工歯(上部構造)の部分はセラミックが使われることが多く、セラミックでもジルコニア・オールセラミック・ハイブリッドセラミックなどの種類があります。

セラミック治療で使われる素材はその名のとおり、セラミックです。

セラミックの種類はインプラント治療で使われる3種類と同じで、どれも銀歯と異なる特徴があり色調も調節できるため、自分の歯と変わらない見た目に仕上げられます。

インプラント治療とセラミック治療でよく使用されるセラミック3種類の特徴は以下のとおりです。

ジルコニア ・人工ダイヤモンドとも呼ばれ、金属に匹敵するほど耐久性が高く割れにくい
・強い力がかかりやすい奥歯や歯ぎしり
・食いしばりの癖がある方におすすめ
・ほかのセラミックよりも審美性はやや劣る
・ジルコニア自体が硬すぎるため自身の歯を傷める可能性がある
オールセラミック              ・スタンダードなセラミック
・自身の歯との見分けがつかず境目も綺麗に仕上がる・汚れが付きにくい
・金属アレルギーのリスクが低い
・強い衝撃を与えると割れてしまう可能性がある
ハイブリッドセラミック・セラミックと歯科用プラスチックを混合したもの
・セラミックより柔らかいため自身の歯を傷める心配がない
・比較的安価・変色しやすく、すり減りやすい
・強い衝撃を与えると割れてしまう可能性がある

セラミックを使用する際には、使用する場所や自分の癖などを考慮して最適な素材を見つけましょう。

治療期間

それぞれ1本の歯を治療する場合にかかる治療期間は、インプラントで3か月~1年ほど、セラミックで3~4週間ほどです。

インプラント治療の場合、骨造成の有無や埋め込んだ人工歯根の結合具合、治療場所によって治療期間が異なります。

目安ですが下の歯で3~6か月ほど、上の歯で4~12か月ほどかかります。

上下で治療期間が異なるのは、上顎の骨の方が下顎の骨に比べて柔らかく埋め込んだ人工歯根が結合するまでに時間がかかるためです。

セラミック治療の場合は特にトラブルなどがなければ、治療期間は2~3週間ほどで完了し、最短で2~3回の通院で治療が終わります。

また、詰め物かかぶせ物かによっても治療期間は異なり、詰め物よりかぶせ物のほうが治療期間が長くなります。

寿命

インプラント治療の寿命は10~15年以上で、セラミック治療の寿命は10~20年ほどと言われています。

どちらも日常的な正しいケアと定期的な歯科医院などで受けられる専門的ケアを受けることで寿命を伸ばすこともできます。

逆に、日々間違った手入れをしていたり専門的なケアを受けていなかったりすると、寿命が10年以下になってしまう可能性もあります。

費用

それぞれ1本の歯を治療する場合にかかる費用は、インプラント治療で30~55万円ほど、セラミック治療で4~18万円ほどです。

インプラント治療の費用には検査代や手術代が含まれていますが、骨造成などを行う場合は30~55万円より高くなる可能性があります。

また、セラミック治療は詰め物かかぶせ物かによって費用は大きく異なり、詰め物で4~8万円、かぶせ物で8~18万円ほどです。

費用の差が大きくなり理由は使用するセラミック量が異なったり、必要となる施術が多くなったりする点などが挙げられます。

インプラント治療もセラミック治療も保険適用外の治療になるため、費用は高額になりやすいです。

インプラントとセラミックのメリット・デメリット

ここでは、インプラント治療とセラミック治療それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
治療を行う際にはメリットだけではなく、デメリットも十分に知っておきましょう。

インプラントのメリット

インプラント治療のメリットは以下の4つです。

・しっかりと食事を噛むことができる
・抜けたり外れたりするリスクが低い
・審美性が高く自身の歯と見分けがつかない仕上がりにできる
・きちんと手入れをすれば比較的寿命が長い

インプラント治療では自身の歯のようにしっかりと食材を噛むことで、刺激を顎の骨などに伝えられるため、口周りの骨が痩せてしまうことを防げます。
また、人工歯根部分は顎の骨に埋め込み結合させるため、仮歯や入れ歯にように抜けたり外れたりするリスクは低いでしょう。
仮に欠けてしまった場合などは、人工歯(上部構造)の部分を取り換えるだけです。

インプラントのデメリット

インプラント治療のデメリットは以下の5つです。

・保険適用外であるため費用負担が大きい
・骨量が少なければ骨造成や骨移植が必要になる
・外科手術が必要となるため身体への負担が大きい
・治療期間が長い
・金属アレルギーが起きる可能性がある

インプラントに使用される金属はアレルギーの起きにくいチタンですが、絶対にアレルギーが起きないわけではありません。
体質によってはアレルギー反応が出てしまう可能性があります。
また、骨造成などが必要になればその分治療期間も長くなるため、身体への負担が大きくなってしまうかもしれません。

セラミックのメリット

セラミック治療のメリットは以下の3つです。

・自身の歯に近い色合いや風合いにでき、人工歯と気付かれにくい
・人体との親和性が高く虫歯が発生しにくい
・金属アレルギーの心配がない

セラミックは、金属を使用しないため金属アレルギーの方でも安心して治療が受けられます。
また、審美性も高いため、人工歯と気付かれない美しい仕上がりが期待できるでしょう。
セラミックの特徴の1つに人体との親和性の高さがあります。
そのため、自身の歯や歯肉とセラミックの間に虫歯や黒ずみが出にくい点もメリットの1つです。

セラミックのデメリット

セラミック治療のデメリットは以下の3つです。

・自身の歯に近い色合いや風合いにでき、人工歯と気付かれにくい
・人体との親和性が高く虫歯が発生しにくい
・金属アレルギーの心配がない

セラミックは使用する種類によってデメリットが異なります。
オールセラミックやハイブリッドセラミックは噛む力が強い奥歯や歯ぎしりをする方であれば割れてしまう可能性があります。
一方で、奥歯や歯ぎしりをする方の場合セラミックの中でも硬く、人工ダイヤモンドとも呼ばれるジルコニアは硬すぎるため自身の歯を傷つけてしまうかもしれません。

インプラントとセラミックの選び方

インプラント治療かセラミック治療(セラミックを用いたブリッジ)か迷った際にはどのように選べば良いのでしょうか。
最後に、インプラント治療とセラミック治療の選び方について解説します。

歯根の有無

歯根が残っていない場合はインプラント治療しか選択できません。

歯根が残っている場合は、歯根を抜歯して行うインプラント治療と歯根を残して行うセラミック治療を選択できますが、できるだけ自身の歯を残すためにセラミック治療を優先する場合があります。

ただ、歯根が残っていたとしても歯の欠け方などによっては、抜歯を行いインプラント治療を行うこともあります。

金属アレルギーの有無

歯が欠損した方で金属アレルギーがある方の場合、金属を使用しないセラミック治療(ジルコニアブリッジ)を選択することがあります。

インプラント治療で使用される金属はチタンで、アレルギー反応が出にくい金属です。

しかし、絶対にアレルギー反応が出ないわけではないため、インプラント治療ができない方もいます。

金属アレルギーが心配な方は担当歯科医に相談することをおすすめします。

目立つ前歯はインプラントとセラミックの合わせ技

口の中でも最も目立つ前歯の場合は、特に見た目の審美性が求められる部分です。
そのため、インプラント治療とセラミック治療の合わせ技を使用することがあります。すなわち、インプラントの上部構造物にセラミックを使用します。

インプラント治療で歯根を補い、セラミックの人工歯を使用することで、自身の歯と見分けがつかない自然な見た目にできるでしょう。

まとめ

人工歯根を使用してかぶせ物や入れ歯を装着して失った歯を補う治療がインプラント治療、セラミックを使用した詰め物やかぶせ物を用いた治療がセラミック治療です。

インプラント治療とセラミック治療のおもな違いとしては、治療方法や使用する素材、治療期間、費用などがあります。

また、それぞれにメリット・デメリットが存在するため、治療方法を決める際には必ず知っておきましょう。
どちらの治療方法が迷った際には、歯根の状態や金属アレルギーの有無で選ぶ方法があります。
目立つ前歯であれば、インプラント治療とセラミック治療の合わせ技を使用することもあります。
アップルロード・デンタルクリニックでは、専門医によるインプラント治療やセラミック治療をはじめとしたさまざまなお口のお悩みに関する治療が可能です。

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