小児歯科
歯が生えるまでに授乳や離乳食を与える生活習慣が、生え始めた歯に影響を与えます。
乳歯は子どもさんごとで異なりますが、生後6か月に下の前歯から生え始め、2歳半から3歳頃までに20本がすべて生え揃います。歯が生えるまでに確立されている授乳や離乳食を与える生活習慣が、生え始めた歯に影響を与えます。
歯が揃っていくにつれて、お手入れの習慣や食習慣の良し悪しでむし歯が発生しますので、保護者が日頃からお子さまの歯に対するむし歯予防の意識を持つことが大切です。
当院では3~4ヶ月ごとの検診やフッ素によるむし歯予防をお勧めしています。検診では、きちんと歯が磨けているか、歯科衛生士が歯垢(デンタルプラーク)のチェックなどを行い、さらに歯科医師が指導し、必要があれば治療するという流れとなります。
定期的健診
定期健診はお子さまをむし歯や歯肉炎から守ります。
成長期にあるお子さまの顔や顎、お口の環境について総合的にチェックできる良い機会です。虫歯予防につながるだけでなく、歯並びや噛み合わせの異常を見つけ出すという保護者と私どもクリニックの使命を果たす機会でもあります。
3~4ヶ月に一度の定期的健診をお勧めしています。
むし歯のなりやすさで遺伝はありません。
定期健診はお子さまをむし歯や歯肉炎から守ります。
「親がむし歯になりやすかったら子どももむし歯になりやすいのでしょうか?」という質問をよく聞きます。
むし歯のなりやすさで遺伝はありません。もしあるとすれば、唾液の量やむし歯から守る唾液の力(唾液緩衝能)は遺伝と関係あるかもしれません。
唾液には、強い歯にする作用や口の中を中和させてむし歯になりにくい環境をつくる重要な働きがあります。唾液量が多い場合や中和能が高い唾液ですとむし歯になりにくいと考えられます。
また、遺伝ではありませんが、食事内容や嗜好品の影響で、親と同じようにむし歯になっている可能性もあります。
親が甘いもの好きなら、子どもも甘いお菓子を食べる機会は増えますし、食事の好みも育ててくれた人に似る傾向があります。
当院では、むし歯の予防方法について、患者様一人ひとりの特性を説明し、実践いたします。
お口の中がむし歯になりやすい環境かチェックする方法があります
「むし歯になりやすいリスク」を検査
むし歯の原因となる細菌量や唾液の性質を検査し、「むし歯になりやすいリスク」を検査いたします。
日ごろの生活習慣など、様々な因子も関係してきますが、これをきっかけに、現在のお口の環境を把握し、メンテナンスの重要性をご理解頂けたらと思っております。
ご希望の方はお申し出ください。
シーラントでむし歯予防
歯の溝に埋めるプラスチック製の樹脂
歯磨きをしても、十分に清掃できずに磨き残しが生じやすいのが奥歯のくぼみや深い溝です。
こういった場所に歯科材料でシールし、むし歯菌の侵入を防ぐ方法がシーラントです。細菌が歯のくぼみや溝へ侵入することを防いでむし歯を予防します。
フッ素塗布
フッ素に虫歯予防の効果があることはよく知られるようになってきましたが、フッ素にはどのようなむし歯予防効果があるのでしょうか?
主な効果は次の通りです。
- 【1】耐酸性・結晶性の向上
- フッ素が歯に作用すると、歯質はフルオロアパタイトという非常に安定した結晶構造を持つようになり、酸に強くむし歯になりにくい歯になります。
- 【2】抗菌・抗酵素作用
- むし歯菌(歯垢)の出す酵素によって酸が作られる過程をブロックします。
また、フッ素自身が抗菌作用を示します。
再石灰化の促進
唾液中のカルシウムやリンを歯に集積させて再石灰化し、初期のむし歯は、進行が止まることがあります。
乳歯や萌出途中や萌出直後の永久歯は酸に非常に弱く、むし歯になりやすいので、歯を強くする視点から考えるとこの時期にフッ素を応用することは特に有効と考えられます。
一方、フッ素の毒性について気にされている方もおられると思いますが、むし歯予防のために使用するフッ素量では、1回分誤って飲んでしまっても問題はなく、体内に入ったフッ素もしばらくすると排泄されるので心配することはありません。
当院では、フッ素によるむし歯予防についてご提案いたします。