*
医療コラム

途中で矯正歯科を変える場合の費用は?転院の理由や事前にしておく点を解説

医療コラム

目次

途中で矯正歯科を変えることは可能
途中で矯正歯科を変える理由3つ
 ・転勤などの引っ越し
 ・生活スタイルの変化
 ・矯正歯科が合わない

途中で矯正歯科を変える前にしておく4つのポイント
 ・契約書の確認
 ・できるだけ早く担当医師に相談する
 ・転院に必要なものを揃える
 ・支払い方法の確認

転院で費用が一部戻ってくる可能性も
 ・60~70%の返金がある可能性も
 ・歯科医院側に責任があれば全額返金の可能性も

途中で矯正歯科を変えるデメリット
 ・想定より費用がかかる可能性がある
 ・治療方針が大きく変わる可能性がある
 ・虫歯や歯周病のリスクが高くなる
 ・歯並びに悪影響を及ぼす可能性がある
 ・治療期間が長くなる

まとめ

導入

歯列矯正は、一度始めると治療終了までに2~3年ほどかかり、その間定期的に通院する必要があります。
そのため、歯列矯正の治療中に引っ越しなどを行い、やむを得ず歯科医院を途中で変えたいと思うこともあるでしょう。
もともと通院していたクリニックから遠くなると定期的な通院が難しくなり、途中で矯正歯科を変えたくなることもあるかもしれません。

そもそも『矯正歯科を途中で変えられるの?』『変えられたとしても費用ってどのくらいかかるの?』と不安な方もいるでしょう。
この記事では、矯正歯科を途中で変えることはできるのか、変える前にやっておくポイントやデメリット・費用について解説します。

歯列矯正中に矯正歯科は変えられるのか、途中で矯正歯科を変えるデメリットなどを知りたい方はぜひ最後までご覧ください。

途中で矯正歯科を変えることは可能?

歯列矯正は、治療の途中でも矯正歯科を変えることは可能です。
ただ、基本的には治療を始めたところで最後まで続けるのが理想です。
のちほど詳しく解説しますが、矯正歯科によって治療方針や得意な治療方法が異なるため、場合によっては最初から治療を再開することになるかもしれません。

矯正歯科を治療の途中で変えることはできますが、変える際にはデメリットなども十分に理解したうえで進めるようにしましょう。

途中で矯正歯科を変える理由3つ

歯列矯正の途中で矯正歯科を変えたいと考える理由は人によってさまざまでしょう。
ここでは、多くの方が途中で矯正歯科を変えたいと考える理由を3つ解説します。

転勤などの引っ越し

矯正歯科を変えたい理由で多いのは、転勤などの引っ越しで今まで通ってた矯正歯科に通うことが難しくなってしまうパターンです。

引っ越しをしても今までの矯正歯科に通える場合は、今までと同じ矯正歯科に通う方がおすすめです。

歯列矯正は、定期的に通院してこまめに治療の進行状態を確認する必要があります。

ただ、引っ越すともともと通っていた矯正歯科が遠距離になってしまい、通いづらい場合は矯正歯科を変えることを検討しましょう。

生活スタイルの変化

歯列矯正は2~3年ほどと治療期間が長期にわたるため、治療中に進学・就職や転職・結婚など生活スタイルの変化があるかもしれません。
矯正歯科によって診療時間などが変わるため、もともとは通いやすい診療時間でも、通いにくくなることもあるでしょう。

通院できる日数が少なくなると矯正器具を清潔に保つのが難しくなったり、歯並びなどに影響が出たりする可能性があります。
通院日数が少なくなってしまう場合は、今の生活スタイルで通いやすい矯正歯科に変えても良いでしょう。

矯正歯科が合わない

歯列矯正を始める前には自分の希望している治療をしてくれるのかに加え、歯科医院の雰囲気など調べたうえで通院を決める方がほとんどです。
しかし、治療を進めるうえで『矯正歯科(担当医)と合わない』と感じることもあるかもしれません。
歯列矯正の技術が優れていても、不安点や気になる部分を相談できないままであれば、このまま治療を進めても良いか不安になるでしょう。

不安感や不信感は歯列矯正の失敗や後悔につながる可能性があります。

複数の歯科医師がいる矯正歯科であれば、担当医の変更をお願いしてみましょう。
ただ、歯科医師が1人しかいない場合や担当医の変更をお願いしにくい場合は矯正歯科自体を変える方法もあります。

途中で矯正歯科を変える前にしておく4つのポイント

歯列矯正の途中でも矯正歯科を変えることは可能ですが、変える前にはいくつかやっておくことがあります。

治療の進み具合や今後の治療計画などがあるため、準備もなしにすぐに矯正歯科を変えられるわけではありません。

矯正歯科を変えたいと思った場合は、ここで解説する4つのポイントを知っておきましょう。

契約書の確認

歯列矯正の治療を始める際には必ず治療計画や想定治療期間、治療リスクなどについて記載された契約書を交わします。

この契約書には基本的に『途中解約した場合』についての記載があるため、内容を確認しておきましょう。
主に返金に関する内容が記されている場合が多く、返金の有無や返金割合、返金方法などが記載されていれば、支払った金額の一部が返ってくるかもしれません。

しかし、分割で支払っていた場合や途中解約の場合は返金しない旨が記載されていた場合は返金してもらえない可能性もあります。

できるだけ早く担当医師に相談する

矯正歯科を変えたいと思っても、気まずくてなかなか言い出せないかもしれません。
しかし、できるだけ早く担当医師には矯正歯科を変えたい旨を相談するのがおすすめです。

この時、『なぜ矯正歯科を変えたいのか』も話しておきましょう。
事情によっては転院先の矯正歯科を紹介してもらえるかもしれません。

現在通っている矯正歯科が信頼できる場合は、転院先でも安心して治療を続けられるでしょう。
また、担当医師には、転院先でできるだけスムーズに治療を継続できるように診療記録や診療経過資料などを作成してもらうことになります。

担当医師はほかの患者さんの治療も並行しているため、欲しい資料が手元に届くまでに時間がかかるかもしれません。

引っ越しや転院のタイミングに合うように、転院を決めたらできるだけ早く担当医師に相談し、準備を進めましょう。

転院に必要なものを揃える

転院先の矯正歯科でもスムーズに治療を進められるように、いくつか必要なものがあるため、揃えましょう。

主に必要となるのは以下の7つです。

・紹介状
・初診から現在までの治療経過に関する資料
・診療記録
・治療計画書
・口腔内写真
・模型
・レントゲン写真 など

転院先の矯正歯科によってはほかに資料などを求められる場合もあるため、事前に必要なものを聞いておきましょう。
ただ、現在通っている矯正歯科によっては希望するすべての資料などをもらえない可能性があります。
その場合は、できるだけ多くの資料をもらい、転院先の矯正歯科には資料をもらえなかった旨を伝えましょう。

資料がないからといって転院を断られるケースはほとんどありません。
しかし、追加で検査が必要になることもあるため、転院先で検査費用などが別途必要なる可能性があります。

また、紹介状や資料作成には別途紹介料や資料作成料がかかる場合があります。
この面の費用についても、どの程度必要なのかあらかじめ確認しておきましょう。

支払い方法の確認

転院する際には、各費用の支払い方法について確認しておきましょう。
ここまででもすこし触れましたが、矯正歯科を転院する場合は本来の歯列矯正では発生しない、追加費用が必要になる場合があります。

よくある追加費用の項目としては以下の2点です。

・紹介状や転院に関する資料の作成費用
・転院先での検査や診断費用

資料の作成費用は大体数百円~数千円ですが、歯列矯正に関する検査費用などは保険適用されないため全額自己負担です。
また、転院先では再度歯列矯正の治療計画を立て、それに伴った費用を支払うことになります。

支払い方法は一括・医療ローンなど矯正歯科によってさまざまとなるため、どのような支払い方法があるのかは必ず確認しておきましょう。

転院で費用が一部戻ってくる可能性も

先ほども触れましたが、歯列矯正の途中で矯正歯科を転院する場合、支払った治療の費用が一部戻ってくる可能性があります。
返金には支払い状況や支払い方法など一定の条件がありますが、ここでは返金される可能性やその金額について解説します。

詳細な返金の条件や金額に関しては、矯正歯科へ問い合わせてみましょう。

60~70%の返金がある可能性も

転院する場合、全額返金はかなり難しいですが、一括で歯列矯正の費用を支払っていた場合、一部返金される可能性があります。

以下の治療の進捗状況による返金割合は、日本臨床矯正歯科医会が設けている目安です。
こちらは、永久歯列期のマルチブラケット装置で、すでに全額支払った方に限られます。

治療の進捗状況全額支払い済みの返金割合
全歯の整列60~70%程度
犬歯の移動40~60%程度
前歯の空隙閉鎖30~40%程度
仕上げ20~30%程度
保定0~ 5%程度

出典:日本臨床矯正歯科医会
上記はあくまでも日本臨床矯正歯科医会が設けている目安であり、必ずこちらの割合で返金があるわけではありません。

矯正歯科や選択した矯正方法などによって返金割合は異なるため、必ず今まで通っていた矯正歯科で返金に関する詳細を確認しておきましょう。

歯科医院側に責任があれば全額返金の可能性も

基本的には転院する際も、既に矯正歯科の治療を受けているため費用の全額返金はできません。

しかし、歯科医院側に責任がある理由で転院する場合は全額返金してもらえる可能性があります。

全額返金される例としては、治療の不手際などにより症状が悪化した場合などの医療ミスが起きた場合です。

ただ、医師の指導を無視した生活を送っていたり、禁止されていた事項をおこなって症状が悪化したりした場合は歯科医院側のミスといえず、全額返金は難しいでしょう。

途中で矯正歯科を変えるデメリット

引っ越しや生活スタイルの変化など、歯列矯正の途中で矯正歯科を変えることは仕方がない理由です。

しかし、矯正歯科を変えることでいくつかのデメリットが生じる可能性があります。

最後に、途中で矯正歯科を変えるデメリットを5つ紹介します。

転院をする際には、必ずデメリットについても知っておきましょう。

想定より費用がかかる可能性がある

歯列矯正にかかる費用は矯正歯科によって異なるため、1つの矯正歯科で治療を完了させるよりも費用がかかる可能性があります。

初めに治療を開始した矯正歯科ですでに費用を支払っていても返金されない可能性や、転院後に歯列矯正を途中からではなく最初から始めることもあるでしょう。

1つの矯正歯科で治療を完了させた場合と転院して治療を完了させた場合を比べると、ほとんどのケースで転院した場合の方が治療費費用は高くなります。

治療方針が大きく変わる可能性がある

同じ矯正方法だったとしても治療方針は矯正歯科によって異なるため、転院によって治療方針が大きく変わる可能性があります。

治療方針が大きく変わることで、再度検査のやり直しを行ったり、途中まで矯正治療が完了していても最初から治療をやり直したりすることもあるでしょう。

また、元の矯正歯科は抜歯不要と判断された歯を、転院先の矯正歯科では抜歯することになるかもしれません。

このような治療方針の大幅な変更は、治療費用の増加や治療期間の延長につながります。

虫歯や歯周病のリスクが高くなる

転院に時間がかかってしまうと、その間矯正装置の洗浄や口腔ケアなどのメインテナンスが滞り、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。

虫歯や歯周病のリスクを上げないための方法は以下の3つです。

・できるだけ早く転院先の矯正歯科を決めて治療を再開する
・転院するまでは今までの矯正歯科でメインテナンスを受ける
・セルフケアを徹底する

仮に、虫歯や歯周病になると歯列矯正を一時中断し、虫歯や歯周病を完治させたうえで治療を再開するケースもあります。

歯並びに悪影響を及ぼす可能性がある

転院に時間がかかると、その分治療を中断することになるため、歯並びに悪影響を及ぼす可能性があります。

主に、歯が矯正前の位置に戻る後戻りや不正咬合の再発などがあります。

後戻りなどを防ぐためには、ギリギリまで元の矯正歯科で治療を続ける・早く転院先で治療を再開する・保定装置を使用するなどが有効です。

治療期間が長くなる

転院をすると治療期間が長くなる可能性が高いです。

治療期間が長くなる原因としては、転院中に治療の中断がある点や治療プランのやり直しがある点などです。

転院先の矯正歯科によっては一から治療を進めることもあるため、転院をする際には治療期間の延長は仕方がないと思っておきましょう。

まとめ

歯列矯正の途中でも矯正歯科を変えることは可能ですが、基本的には治療を始めたところで最後まで続けるのが理想です。

理由としては、矯正歯科によって治療方針や得意な治療方法が異なるため、場合によっては一から歯列矯正を再開することになり、費用が高くなり治療期間が延びる可能性があるためです。

途中で矯正歯科を変える場合は、できるだけ早く担当医師に相談し、転院に必要な書類などを集めましょう。

ただ、歯列矯正中の転院はデメリットもあります。

転院する際にはこの記事で解説したようなデメリットがある点は知っておきましょう。
アップルロード・デンタルクリニックでは、歯の健康を維持することを目的とした歯列矯正などさまざまなお口のお悩みに関する専門医による治療が可能です。

歯科矯正は、悪い歯並びをきれいにする美容的(審美的)な改善だけでなく、食べたり(摂食)、話したり(構音)する機能を改善して、歯の寿命を延ばすことも目的の1つです。

もし、お口のお悩みがあれば、ぜひ一度アップルロード・デンタルクリニックへご相談ください。

一覧へ戻る